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19.シロツメクサ 由佳さん

9月も半ばを過ぎたというのに、まだまだ厳しい残暑が続くある休日、
風早と爽子は近くの山にある公園へ出かけようという事になった


「黒沼疲れたでしょ?少し休もうか?」
「え? だ、大丈夫だよ。私のことなら全然気にしないで」
「だーめ、だってさっきから全然喋らなくなってるし、それに結構陽射し強いから俺もちょっと疲れたしね」
そう笑いかけながら周りを見渡していた風早は、少し先の小高い丘の向こうに丁度良い木陰を見つけた
「あ、あそこの木の下は?芝生になってるみたいだし、丁度いいんじゃないかな。行こう、黒沼!」
そう言って爽子の手をつかんで歩きだした

いつのまにかそうやって手を差し出す事があまりにも自然になっていった風早を見て爽子は
(この頃風早君手を繋いでいても顔を赤くする事がなくなったな、なのにどうして私はいつまでもこんなにドキドキしてしまうんだろう…)
と頬をうっすらと染めながら思った。
同じであった事が少しずつ違ってきている事を、少し残念な事でもあり、少し嬉しくも感じながら…


『これって……』

木の下に着いてみると芝生だと思っていた場所はすべてクローバーで覆われていた
その一面に咲いているクローバーが夏の名残の強い日差しに照らされ緑に輝きながら風に揺れている姿を見て二人は一瞬言葉を失う

「……すげー、俺、こんなにクローバーがあるところ見たことない」
「…本当、一面クローバー畑になっていて凄く素敵だね。…でも、ちょっと残念だったかも」
「え?何が?」
「きっともう少し前に来ていればたくさんのシロツメクサの花が咲いていたんだろうな、ってそう思ったの」
「シロツメクサ?クローバーじゃなくて?」
「うん、だってシロツメクサとクローバは同じ物なんだよ?でもクローバーの花のことをシロツメクサって言ってる事が多いみたいだけど」
「マジで?すっげー黒沼ってほんとに何でも知ってるよね」
「え、そ、そんな、たまたまだよ。」
未だ褒められる事に慣れていない爽子は真っ赤になりながら慌てて否定し、そしてそれを隠すかのように言葉を続けた

「あのね、ずっと小さい頃の事なんだけど、近所にクローバーがたくさんある原っぱがあったのね。
そこは夏になると一面シロツメクサの花畑になってまるで夢の中に出てくるような場所みたいだったの。
それでね、そのシロツメクサで冠を作ってかぶるとまるで自分がお姫様になったみたいで、…何でも願いがかなう気がしたんだ。」

「……はっ!?ご、ご、ごめんなさいっっ!!私ったらつまらない話を!に、似合わないよねそんなの」
まるでそこにシロツメクサの花畑があるかのように瞳を輝かせながら頬をほんのりと染めている爽子の横顔を、すげーキレイだな。と嬉しそうに見つめていた風早は
「なんで?すっげー女の子らしくていいよ、うん、黒沼らしいよ」
笑顔でそう答える
今度はそれを見た爽子が、いつもの私を安心させるお日様みたいな笑顔…嬉しいな。と思いながら笑顔で返した。


「でももう咲いてないみたいだね…」
辺りを見渡しながら残念そうに呟くと風早がふと何かを見つけたように
「ちょっと待ってて!」
そう言いながら爽子をそこに残し走って行った


どうしたのかな?と思いながらしばらく待ってみると息を切らしながらこちらに向かって走ってくる風早が見えた
「お待たせ!はい、これ」
「これって…」
そう言って差し出された風早の手には小さなシロツメクサが一つだけ握られていた
「あっちに一つだけ咲いてるのをみつけたんだ。花冠にするにはちょっと少ないけどね」
「そんなことないよ、嬉しいよ、風早君!…小さくて白くてすごく可愛いね、これ。」
「あ、うん、…さ……こ………みたいだ。」
急に口ごもるように小声になった風早の声を上手く聞き取れなかった爽子は何て言ったのか聞き返してみたけれど、風早は何でもないよ。と目をそらして答えてはくれなかった。

しばらく2人は黙ったままその小さなシロツメクサを眺めていると、急に思い立ったように風早が声をかけて来た
「ねえ、黒沼、左手貸して」
そう言って笑いながら風早は差し出された爽子の薬指にシロツメクサを結びつける
その小さな白い花は光に照らされて、爽子にはまるでそれが一粒の真珠の指輪のように見えた
「綺麗だね…。ありがとう!風早君」
「黒沼、今はまだこれしかあげられないけれど、いつかきっと、ね?それまで待ってて」
「ううん、これで充分だよ、嬉しすぎるくらいだよ。だから無理に花冠でなくたっていいんだよ」

「……?…え?花冠??」
「うん、この風早君がくれた花の指輪の方が自分で作った花冠よりもずっと嬉しいよ。」
「ちょっ、く、黒沼!?」
「何?」
本当に嬉しそうな笑顔を見せられて風早はそれ以上は何も言えなくなってしまった

「ずっりー…、でも、ま、いっか」
「何がいいの?」

「何でもない!」

(そう、今はまだこんな物しか君の指に嵌めてあげられないけれど、いつかきっと…)



        シロツメクサ(クローバー)の花言葉は… 『約束』







おぉぉ!花言葉で見立てるなんて!!!
しかもやっぱりおとぼけぽややんな爽子ちゃんWW
おとぼけ炸裂ですねWW
お互い自然大好きそうだし、いつもの河原とかじゃなく山とか公園とか
本当この2人ならよく行きそうですごく想像できちゃいましたWWW
由佳ちゃんは小説もかけて、絵もかけるなんて…多才!!!
本当感激です!
ありがとうござます~~~~~~WWW

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