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32.苺リップ 桜さん

シュガー・キッス ~イチゴリップ~


「じゃあ、また来週の打ち合わせの時よろしくお願いします。」

「ええ。来週もよろしくね、翔太君!」


今日は結婚式の打ち合わせ。

―― 再来週の4月8日、私と風早くんは籍を入れることになりました。

私と風早くんが桜の木の下で初めて会ったあの日から丁度10年後となるその日、
私達は晴れて『夫婦』になるのです。
そしてその同日、私達は結婚式を挙げる為、
今はその準備で大忙し。

今日は私のお母さんとお父さんも打ち合わせに来ていて、
私は両親と一緒に車の方へ向かおうとしていたら・・・


「あら、爽子。まだ時間あるし、翔太君とゆっくりお茶でもしてきたら?」

「えっ…!?」

「え、いいんですか?」

「ええ、私達先に帰るから!ねーお父さん?」


お母さんが気をきかせてくれたのだけど、
お父さんは少し苦笑いをしている。


「えっ あっ…ああ…、そうだな。あまり遅くならないように、帰ってくるんだぞ…!」

「あらまあ、何いってるのお父さん!もうこの子達も再来週には結婚するんですから。
翔太君、娘をよろしくね!」


けっ けっこん・・・。
やっぱり何度聞いても、何度打ち合わせをしても
その単語にはどきどきしてしまう・・・。


「あっ はい!もちろん…」


翔太くんは私の両親に頭を下げ、
ちらりと私を見た。
そして少し頬を赤く染め、優しく微笑んだ彼は
私の手をそっと握った。


「…いこっか。」

「う、うん…!」


思わず笑顔が零れてしまう。
最近、お互いに仕事も忙しいから
打ち合わせ以外で彼と会うことは難しくて、
私はこうやって二人きりの時間がとれることが すごく嬉しかった。

私は風早くんの車に乗り、
その車は風早くんが一人暮らしをするマンションに向かった。


* * * * *


「この部屋ももうすぐ引越し準備はじめないとなー」

「うん、そうだね…。私もそろそろ部屋のもの片付けないといけないなあ…」


風早くんの部屋で紅茶を飲みながら、
ソファーでくつろぐ。
大学時代からこのお部屋には何度かおじゃましているけれど
彼の部屋にあがると、どきどきする一方でどこか落ち着く。

風早くんは私の隣に座り、ふと彼の方を見てみると
彼と視線がバチっと重なった・・・。


「爽子・・・。」

「・・・?」

「ぎゅってしていい?」


・・・・・!?

風早くんは私の返事を待たず、
私が手に持っていたマグカップを手にとり、机の上に置いた。
そして、私の体は彼にふわっと引き寄せられた・・・

高鳴っていく心臓の音・・・。
彼の温もりを感じるのは、いつぶりだろう。
そんなに長い間ではないはずなのに、
まるでずっと求めていたかのように
私の全身に彼の温もりがすーっと溶けていく。


「ずっとこうしたかったんだ…。」

「…うん。」

「やっぱ落ち着くな。」


うん、私もだよ …と、彼にちゃんと聞こえたか分からないような声が
私の口からかすれ出ていく。
なんでかな。こうしてるだけで目頭が熱くなってくるの。
気付いてなかったけれど、最近仕事で疲れていたのかもしれない。
彼の腕の中が疲れを癒してくれるみたいで、すごく心地がいい。
風早くんも同じなのかな・・・

ふとした瞬間、彼の腕の力がすっと弱まった。
彼の手が私の手に置かれて、私は見上げて彼の瞳を覗く。

そして、ゆっくりと私の顔に彼の影が重なる。


キス

・・・するのかな


近づいて来た彼の唇を受け入れるように
瞳を閉じる。

ふわっと重なる感触
ゆっくりと離れていく温もり
とくとくと静まることを知らない鼓動

そっと瞼を開けると、少し頬を赤くした風早くんと目が合う。


「・・・なんか、」

「・・・ん?」

「今日の爽子、甘い。」

「えっ」


風早くんは照れながら、呟くようにそう言った。
あ 甘い・・??
私はその言葉の意味を辿っていった・・・。

・・・あ。もしかして


「苺リップ・・・」

「・・・?苺リップ?」

「うん。苺の味がするリップ…、この前あやねちゃんに貰ったの。今日付けてきたから…」


もしかしてその味が風早くんに伝わったのかな。
・・・・・・。
なんだか、恥ずかしいな・・・。

私は言いながら俯いていると、
いきなり私の顎がくいっと持ち上げられた。


「…っ!」

「もう1回味見していい?」

「え…、…っん!」


答えるよりも早く、彼は私の唇をついばむように
もう一度口付けた。

そして、彼の舌がぺろりと私の唇をなぞる。
その刺激がくすぐったくて、びくっと肩を揺らしてしまった。


「おいし。」

「そっ…そんな、恥ずかしいよ…」

「なんで?爽子もキスしたくて付けてきたんじゃないの?」

「え…!」


違う・・・ なんていえない。
なんとなしに付けてきたけど、
風早くんにもっと触れたいと思う下心があったのは否定できない。
でもそれを口に出すのは恥ずかしくて、
私が答えずにいると、風早くんはにこっと笑って・・・


「じゃあさ、今日は練習しよっか!」

「れ、練習…?」

「今度結婚式で誓いのキスするでしょ?その練習。」

「ええっ!?」


突然の彼の提案に私は目を驚かせた。


「分かってるよね?当日はみんなの前でキスするんだよ」

「うっ…、うん」

「爽子ふたりきりの時でもキスするとすーぐ緊張するから。
だから今のうちに慣れてもらわなきゃ!」


!!?

風早くんはにこにこと笑いながらそんなことを言ってきた。
た・・・ たしかに
当日みんなの前できっ…キスするのって
恥ずかしいなとは思っていたけれど


「あ、あの…、なっ…慣れるってどうやって…」

「うん。だから今日はいっぱいキスしよ?」

「…!? えっ、えっと…」

「嫌…?」


・・・・・っ!

風早くんは私の顔を覗きこんできた。
嫌じゃ・・・なくて
むしろ・・・


「わ、私も… 風早くんと、たくさん きっ…キス したいです…。」

「……っ。」


顔中の血がのぼっていくのが分かる。
恥ずかしい、けど これが本当の気持ち。
もっとキスがしたい・・・
もっと触れていたいの。

ぎゅっと目を瞑ったまま、
拳をぎゅっと握ったまま、
恥ずかしさに震えていると

また

私の唇に 温もりが重なった・・・


* * * * *


彼が 甘い と言ったのが分かる気がする ――

いちごの味が彼に伝わって
その味が私に返ってくる

音をたてながらついばまれる
なんどもなんども 離れては重なる甘くて柔らかい刺激
ゆっくりと、時にすばやく奪われていく唇に
私の体の芯がつきんと反応する

もっともっとほしくて
もっと彼の味を味わいたくて
無意識に押し寄せてしまう

口の中に甘さと熱が広がる
そこから溶け出す愛しさに溺れる

もっと・・・

もっと・・・。


「・・・はあっ」

「んっ・・・かわいい。」

「・・・!」


少し離れた彼の顔は
私を優しく包むような微笑みを浮かべていて
もう どうしようもないくらいに胸がきゅんと締め付けられる。


「わ、私…」

「ん?」

「風早くんとのキスが慣れるなんて…、一生無理かもしれない…。」


だって
キスをするたびに好きになっていく
キスをするたびに胸が苦しくなる

この気持ちをどう伝えていいのかわからなくて
私はぎゅっと風早くんの懐あたりのシャツを掴む。


「~~~っ!反則すぎるってば!」

「えっ…!?」


・・・・!??

風早くんは突然私の体を抱きしめた。
少し痛いくらいの、彼の強い腕の力が私の背中に伝わる。
そして、耳元に低く切ない声で「俺もだよ」と聞こえた・・・


* * * * *


あまい 
あまいキス

それはイチゴリップを付けてなくても
彼となら何度でも感じられることができる

そう 

これからも この先も

ずっと・・・。




~おわり~




* * * * *

★あとがき

久々に爽子目線の甘SSを書きました。

爽子フィルターで風早の調子乗りっぷりも若干緩和されてるはず。(笑)
この後風早がキスだけですむかどうか。すむわけないよねーw
それはまた別のお話で。^^



リップと結婚式をかけるなんて!
すごいー(><)
なんだかハードル高いっ!!!
それに、やっぱり結婚式には真に合わず爽子ちゃんはチューなれないきがするのWww
それでいいの爽子ちゃんはっWWww
キスしたあとかぁぁってなってしまえばいいWwww
そんな妄想を繰り広げさせていただきました!
素敵な作品、本当ありがとうございますWwww

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