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26.天道虫 翠様

天道虫~龍ちづ~





「千鶴!」


思わず手を伸ばし腕を取る

「どうした?龍?」

いつも自由に飛び回る千鶴
捕まえていないとどこかに飛んでいきそうな気がする

いつも前を向く千鶴

俺はそんな千鶴が眩しい


手を離すと俺から飛び立ってしまわないだろうかと
いつも不安で仕方がない


いつからか千鶴を恋愛対象として見るようになり

綺麗になっていく千鶴をずっと見てきた


幼なじみとして歳を重ね
恋人として想いを重ねてきた

だけど足らないんだ
まだ千鶴が足りない


てんとうむしは太陽(天道)に向かって飛ぶから
天道虫なんだと何かの本で読んだ

それが千鶴の様でひどく心が騒めいたのを覚えている


「千鶴・・・」
「な・なんだよ!」


色気もくそもない返事
今から俺が言う言葉を聞いたら

なんて答えてくれる?
どんな顔を見せてくれる?

千鶴が飛び立つ先は俺でありたい
辿り着く先は俺でありたい

俺で羽を休めてほしい


掴んだ手に力が籠もる

いつだって千鶴のことになったら余裕なんて無い


「結婚してほしい」


ちゃんと言えたか?
ちゃんと伝わった?


切れ長の瞳はめい一杯大きく見開いて俺が映っていた


「俺だけを見てほしい」


いつもは口角を上げてニシシッと笑う唇を噛み締めていた


「ずっと俺の名前を呼んでほしい」


俺の言葉に健康的な肌が赤く色付く

「俺の・・・家族になってほしい
 好きなんだ・・・もう千鶴しか愛せないんだ
 毎日好きすぎて狂いそうになる」



毎日言いたいことの半分も伝えていない
毎日募る想い



「りゅー」


名前を呼ばれるたびに心臓が軋む
唇が名前を乗せるたびに愛しい


男前に頬を挟まれ瞳がぶつかる

瞳に映るもの全てに嫉妬する


「龍」


ぎゅっと抱きついてくる

初めて知った柔らかさに翻弄され
いつも・・・何度も欲してくて仕方ない



「龍!龍!龍!」

「千鶴!」



滅茶苦茶に乱れさせたくなる
決して小さくない体は
俺の腕の中にちゃんと収まる


「もう・・・」


腕の中から顔をあげて俺を見る瞳はもう・・・女だ


「龍しかいらない」


いつからこんな顔をする様になったのだろう?
いつからそんな言葉を紡ぐようになったのだろう?


「もう龍しか見えない・・・
 もう・・・龍しか言えない
 もう・・・」


参った・・・
こんなに揺さ振られるなんて

「何も言うな」

紡ぐ言葉は全て唇で受けとめるから
熱くなる体は俺の熱で溶かすから



飛び立つ時は俺が迎えに行くから自由に飛び立てばいい
俺が待ってるからいつでも羽を休めればいい



「私の夢は龍が叶えてくれるんだね」
「俺の夢だからな」







天道虫のお題からまさかここまで繰り広げられるとはって思いました。
やっぱり文字書きさんって凄いですね!
翠さまからは風早X爽子ももらってるんですWw
同じお題で全く違う作品なんだけどどこかつじつまが通っているというところがまた凄いっ!!!
翠さん、しゅてきな作品ありがとうございました(^^

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