FC2ブログ

Love is being stupid together 後日(はる)

実はこれ。最後の7話とこの話の間にR指定の話があります。
でもそれがまだできていない・・・(駄目人間)
それでもよければ・・・ど、どどどどどぞっ!






2月15日。
バレンタインデーの翌日。

今日の荷物は何時もよりも少し多い。


Love is being stupid together 後日


学校に着き、いろんな人たちにバレンタインと称して日頃の感謝も込めたチョコレートを配る。
それは簡単に人数別に包装されたトリュフ。
昨日のと違う点といえば…
作った作品と、下心がないという事。

「やっりー!爽子の作ったお菓子うまいんだよなー」
「え!本当?そう言われると嬉しいなぁ…」
「いやいや私も思うわ。毎年ありがとうね爽子」
「う、うんっ」

2人からの言葉が嬉しい。
だからあげて良かったなぁって思うの。

ちづちゃんには真田くんと一緒のをあげて、それから高橋さん、えっこちゃんにともちゃんにも渡してた時、丁度師匠が登校してきた。

「おっはよー貞子ちゃん」
「おはよう師匠!あの…良かったら、コレ」
みんなにもあげたチョコレートを、師匠に差し出す。
師匠には今年初なんだなぁ。
あ。風早くんもだけど。
「え!?もしかして俺に?いいの?」
「うん。貰ってくれたら嬉しいな」
「勿論!!超嬉しい!!サンキュー貞子ちゃんっ」
「う、うんっ」

―――――も、もらってくれた…!!

思い切り首を縦にふった。
拒否をせず貰ってくれるのは本当に嬉しい。

「え?三浦にも?」
「うわぁ!!!」
いきなり隣から声がしてビックリした。
なにせそこには風早くん!!
「お、おはようっ!」
なんだか上擦った声を出してしまった…
お、落ち着かなきゃっ

「なんだよ風早~やきもちー?」
「そ、そんなんじゃ…」
「じゃぁ何だよそんな顔して~。それに、俺がもらったのは御礼チョコなんだぜ?。風早は昨日違うの貰ったんだろ?」

師匠がウインクしながら風早くんに訪ねる。
私は当たってる!なんてビックリした。

「うわっ!何でお前分かるんだよっ」
「あ、やっぱ図星ー?」
「三浦ー!カマかけたなぁっ!」
ははは、って笑う師匠に、風早くんが何だかムキになっていて…
か、可愛いな、なんて思ってしまうのはやっぱり不謹慎かなあ。

それからは荒井先生にも渡して、清めの品だって言いながらなんだか喜んでくれた。

…清め?


そしてチョコは…あと一個、残ってる。








「風早ーっ」
休憩中、教室に花がさいた様な声がした。
声ですぐに分かる。
其処にいたのはくるみちゃん。
手にはピンク色の袋を持っていた。

「胡桃沢。何?」
風早くんがくるみちゃんの所に行ってる間、私は鞄から残りの1つのチョコを取り出した。
「はい。今日はバレンタインだから」
どうやらピンク色の袋はバレンタインデーのチョコレートみたい。
風早くんの事が好きだったくるみちゃん。
きっと昔の私だったら、私だけが本命チョコを上げていい特権に、罪悪感とか感じていたかもしれない。
でもそれがないのは…
きっとくるみちゃんに付き合う事を告げたがら。
そういうケジメを付けたからかもしれない。
私がくるみちゃん宛てのチョコレートを手に2人の元へ駆けつけた時、風早くんが真面目な顔をしていた。


「ごめん。今年は胡桃沢からは貰えない」

―――――え!?

くるみちゃんにそう言い放つ言葉に驚いた。
貰えないって、なんで!?
だってくるみちゃんのは義理チョコだし…
私みたいな下心、ないんだよ?
「か、風早くん?!どうして…」
「あーあ。やっぱりね~」
私の言葉が言い終わらない内に、くるみちゃんはなんだか肩を卸しながら笑って、溜め息をついていた。
「風早って真面目だから、本命以外からはもらわないって思ってたわ」
「え!?俺ってそう見られてんの?」
「少なくとも真面目じゃん」
「いや、真面目ではないと思うんだけど‥」
「とにかく。このチョコは…はい、爽子ちゃん」
2人のやりとりをただただ間で見ていたら、話の矛先をいきなり向けられてびっくりした。
「え?ええ?!わ、私がもらっちゃっていいの?」
「まぁ風早が貰わないかもっていうのは想像ついてたしね」
「く、胡桃沢?」
「何よっ」
「うっ!」
何故か風早くんを思い切り睨むくるみちゃん。
一瞬怯みながらも風早くんは、申し訳なさそうな表情をしていた。
「その…ごめんっ!」
「何で風早が謝るのよ」
「いや、何でって…その。悪いじゃん、受け取れなくて。」
「でも受け取ったら爽子ちゃんに悪いでしょ?」
「そ、うだけど…」

罰が悪そうな風早くん。
いいかな。ここで私が口を挟んじゃっても。

「あ、あのね、風早くん…私くるみちゃんからのチョコレート、受け取っても怒ったりしないよ?」
「え?黒沼?」
「筵受け取ってほしい。だってくるみちゃんの風早くんにあげたい気持ちは無駄にしちゃいけないと思うの」
「黒沼…」

言っちゃった。
と言うよりでしゃばっちゃった。
コレが私の気持ちで、そこに嘘偽りなんてない…んだけど。
くるみちゃん…怒ったかな。


不安になってそうっとくるみちゃんの表情を盗み見ようとしたその時
「あーもうっ!爽子ちゃんって何でそうかなぁ?!」
「え!?く、くるみちゃんっ?」
何だか…怒ってる!?
益々どうしたらいいのか分からなくなってしまって、

“キーンコーンカーンコーン…”
「折角吹っ切れようとしていたのに」


「…え?」
休憩終了の鐘の音が流れて、同時にくるみちゃんが何か喋ってた。
口は動いてるんだけど言葉が聞こえなくて私は首を傾げる。
でもくるみちゃんは自分の教室に戻るべく踵を返してしまった。
「そのチョコ!爽子ちゃん宛てだからねっ」
首だけ振り向いてそう言うんだけど
…やっぱり納得いかない!
「じゃ、じゃぁ、これ風早くんと食べるね!!」
私もそう叫んでた。
くるみちゃんはちょっと驚いてたんだけど…
「フンっ」

鼻をならしながら帰ってしまった。
これで…良かったのかな。
良かったんだよね。
だって…くるみちゃん、そんなに怒ってる感じじゃなかったもの。
「黒沼…本当にごめんな。俺…なんか不器用でさ」
教室の戸を閉めながら風早くんが隣で何だか落ち込んでて。
そんな様子をみたら焦ってしまった
「う、ううんっ!風早くんは悪くないよっ!彼女な私がしっかりしなくちゃ!…あれ?…あ。か、彼女…」

自分で咄嗟に言っておきながら、やっぱり照れてしまうその単語。

「もー。いい加減慣れてよね」
「は、はい…」

でも、その拗ねた横顔が可愛いって言ったら…怒るかな。
コロコロ変わる風早くんの表情。
もっと見ていたくて下から目を忍ばせてみたんだけど
「オラー!何そこストロベリ合ってんだー!席付け席っ」
「うわ!ピンっ」
「ひょっ!?」

やって来た荒井先生の声に驚いてしまい、伺う事はできなかった。
クラスの人達が「ヒュー、ヒュー」「なーにストロベリータイム味わってんだよ~」ってからかう中で風早くんは照れてるみたいで。
「風早くん、後で一緒に食べようね」
その背中に向かって私は告げた。
手にはくるみちゃんの気持ちがあって。
私もそれを大事に大事に抱えながら席についた。







放課後。
誰もいない教室。
…というよりも、誰かが居なくなるまで待ってた、のほうが正しいかな。
教室の窓から外を見る。
下に目を向けると其処には定番となった花壇に水をあげる黒沼の姿。
それを見るのが日課で、
「!」
時々、彼女と目が合ってしまうのもお決まり。
その時は自然と笑って手を振ると、黒沼もおんなじ顔をして空いた手で振ってくれた。

こういう時、すっげー嬉しい。
黒沼も同じかな。
だったら…嬉しいな。

やがて如雨露を片した彼女が、彼女なりの大きな声で喋ってくれた。
「今からそっちに行くね」
「うん!気をつけて」
コクン、と頷いた黒沼はタタタッと走り、この窓のフレームからは見えなくなってしまった。

窓に背を向けて待つと、先程と同じリズムでやってくる足音が聞こえた。

―――――黒沼…気をつけてって言ったのに。

気付いたら小さく笑っていた。
彼女が早く自分に会いに来てくれるのが嬉しくて。
次に聞こえたのは…
“ガラッ”
教室のドアの音。
「…あ、あれ?」
そして彼女の声。
多分不思議がって首を傾げてるんだと思う。
安易に想像できるその姿を思い浮かべて、また笑いそうになったけど堪えた。

―――――いけないいけない。
小さな小さな、足音が聞こえる。
多分こっちに向かってきている音。
でも俺の姿は今の所黒沼に見えてない。
「風早くん…さっきまで窓にいたよね。トイレ、かなぁ」多分黒沼は…今窓の前。
さっきまで俺がいた場所にいる。
だって隣に気配があるから。
その事を確認した俺は…

「!」

思い切り黒沼を抱きしめた。
今まで姿を隠していたカーテンごと。

「か、かかか、風早くん!?」「はははっ。驚いた?」
「う、うんっ!凄く!!」
このカーテン、体は隠してくれるけど脚が丸見えなんだよな。
だから陰がある場所に隠れたんだけど。
黒沼が下を向かなくて良かった。
「ねえ黒沼」
彼女に見せたのは、掌に納まる箱に入ってる、生チョコ。
「あ…コレ。」
「うん。胡桃沢からの。ごめんね?先に開けちゃって」
「ううん。一緒に食べようって言ったのは私だから」
「ねえ黒沼…その言葉に二言はない?」
「勿論!」
「じゃあ…」
長方形の茶色いそれを一つ摘んで、口に運んだ。
半分だけ。
半分は口の中。
もう半分は黒沼に見えてるはず。
「一緒。食べよ?」
器用に口を動かした。
真っ白なカーテンに包まれた空間で、彼女の顔だけが赤く赤ーく染まる。
すっごい照れてるのが分かる。
だって普通のキスじゃないもんね。
でも…
「ぁ、早くしないと、落ちる」
唇の温度で当に真っ二つにされそうなチョコレート。
「うわわっ」
驚く黒沼だけど…
“パクッ”
俺と唇を合わせる事で、長方形が歪な四角形になるのを防いでくれた。
彼女の口がチョコレートを下から掬いあげる様に頬張る。
その口が開かれたのを見計らって、舌を忍ばせた。

「ふっ、ぁ!」
舌と舌の間で絡まるチョコレート。
生チョコだから原型は直ぐに留まらなくなり、黒沼の口内を中心として溶けていく。
喉が乾く感覚と、
胸元には恥ずかしさ等で堪える黒沼が、シャツを握る感覚。
その一つ一つの仕草が可愛い。
「んっ…はっ、ぁ」

―――――あ、ヤバい

黒沼の“女”の声。
蘇るのは昨日のベッドでの出来事。
下半身に血がたぎってくのが分かる…。
彼女に知られない様にしながら、気づけばチョコはすっかり無くなっていて俺は唇を離した。

「か…風早くん…」

―――――うわ。色っぽい…

熱を含んだほっぺ。
ビー玉みたいに綺麗な瞳。
デザートの様な可愛らしい唇…
も、もっと食べちゃいたいんだけどっ。
でも止まらなくなること、分かってるから。
姿を隠してたカーテンを翻し、 2人の時間を作っていた場の幕を開ける。

「一緒に、でしょ?」
「い、い、一緒、って…!!!」
再び熟していく彼女。
これ以上食べ頃になられても俺が困る。
だから、切り替える様に鞄を持った。
「帰ろっか」
「う、うん…っ」
胡桃沢からのチョコも忘れずに。
実は…袋の中身は二つの箱が入っていた。
多分一個は俺ので、
もう一個は…黒沼の、なんだと思う。

それを告げるのは、帰る途中で。






2100211


か け たー!
後日談!
バレンタインの次の日!
やっぱりくるみちゃんって爽子にチョコレート用意してそうだなって思ったんだよね。
でもそんなチョコレートを…
まさかまさかベリタイムに使うとは!
いやいや自分でも考えたんですがね。

つ、使っちゃった(笑)

コメントの投稿

非公開コメント