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包む思い(翠さん)

風早X爽子。
付き合っている設定ですよW
む想い




帰る間際に彼女の横を通り過ぎるとき
二人に囲まれて何やら手渡していた

物欲しそうに見てたのだろうか

少し困ったように白い手を差し出してきた



「風早くんもお一つどうですか?」
「え?俺にもくれるの?」

無意識に差し出された掌にコロッと転がる

「チョコ?」
「本に載ってて作ってみたの
 こうやると学校にも持って来やすいかと思って」

それは丸いチョコが一つ
キャンディの様にラッピングされていた


「黒沼の手作り?」
「あ・・・毒も呪いもかけてないよ!」

「嬉しい!サンキュ!じゃあ!また明日な!」


掌のチョコをぎゅっと閉じ込めて
そのまま足早に教室を出た


「うまっ」

友達と別れ一人になってから
黒沼からもらったチョコを口に放り込む

いつもならすぐに飲み込んでしまうけど
口の中いっぱいに広がる甘さを飲み込めずにいた


チョコが包まれていた紙の皺を伸ばし
綺麗に折り畳む


いつ誰かに取られてしまうかも知れないと
付き合う前も付き合ってからも不安はなくならない



こうやって黒沼も包んでしまいたい
口に広がる甘いチョコの様に
食べたら俺の想いもたくさん伝われば良いのに


好きで仕方ないこの想い



口にあった甘さは消えてしまい
名残惜しくて舌で唇をペロッと舐める


“明日黒沼のチョコが欲しいんだ!”


言えなかった


いつもは何でも言葉にして困らせてしまう位なのに
今日は飲み込んでしまった

言葉にしてしまうとそう簡単には消えないから
きっと困った顔になる彼女を見て、後悔するだろうから


「明日もらえるかな~?」


空に向かって言葉にしてしまう
誰も聞いてないなら言っても良いよな?


あの日もらえなかったチョコは
明日、俺は手にすることができるだろうか?


「本当は俺だけに欲しいんだよ!」

きっとみんなに、このチョコの様に配るんだろうな
もう一度包み紙を広げて空にかざし
捨てずにそのまま学生証にはさむ


願掛けみたいだけど
こんなこと柄じゃないけど

去年よりもっと
俺・・・期待しちゃってんだよな


「あーあ!今日が明日なら良かったのに!」


“俺だけ”が良いけど



“プルルル

不意に鳴った携帯に映し出された名前を確認すると胸が高鳴る
口から出してしまった言葉に罪悪感を感じてしまう


「黒沼?」
「あ・・・風早くん?」
「どうしたの?」

今日はあいつ等と帰るからと言っていたはず

「う・・・ん・・・あの・・・
 明日お昼一緒に食べれないかな?」
「え?あ・・・うん!
 龍には俺から言おうか?」

「いえ・・・明日は・・・」

言い淀んでいるのが解って俺は黒沼の言葉を待った

黒沼は時間が掛かってもちゃんと言ってくれるから


「明日は風早君を独り占めしたいの・・・」
「え・・・ええ?それって??」

俺は夢を見てるのかもしれない!
あまりに期待し過ぎて都合の良い夢?


「二人が良いの・・・ダメかな?」
「ダメなはず無いじゃん!!!」

「良かった・・・」


言っていいかな?
今なら飲み込まずに言っていいかな?


「俺なんていつだって黒沼を独り占めしたいんだよ!」
「え?」

「本当は明日は・・・俺だけに黒沼の時間が欲しいんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


あっ・・・やっぱり退くよな・・・
しかも“チョコ”じゃなくて“時間”とか言っちゃって

重いよな?
黒沼にとってはアイツ等との時間も大事なのに!


「ごめ・・・」
「そっか・・・」
「え?」

妙に落ち着いた声がさらに不安を煽る

「それが言いたかったの?」
「・・・・・黒沼?」

「今日風早くん何かずっと言いたそうだったから」
「そう・・かな?」

「うん・・・だけど何も言ってくれないし
 私も聞けなくて・・・・・・ごめんなさい!」
「いいんだ!お昼一緒に食べれるだけで良いから!」

「ち・ち・違うの!!!」
「じゃあ・・・なにに“ごめん”?」


俺・・・もしかして今年ももらえない?


「明日は風早くんだけなの!!
 きょ・去年みたいに他の子からもらうの見たくなくて
 明日は私も風早君以外には誰にもあげないの!
 ひ・独り占めしたかったの!!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!マジで?」

「下心ばっかりでごめんなさい~~!!!」
「嬉しい!!すっげぇ!嬉しい!!」

「えぇ?本当?い・嫌じゃない?」
「嫌なはずないじゃん!!
俺・・・明日、黒沼を独り占めできるの?」

「あわわ!わ・私が風早くんを・・・と言いますか・・・」

やばい!顔が緩む!!
もう!チョコ無くても良いや!

電話で良かった!


「じ・じゃあ明日はお弁当作って行くので!!」
「うん!楽しみにしてる!」


電話を切った後も耳に残る黒沼の言葉

“独り占めしたかったの!”

きっと俺の方が想う気持ちは大きいけれど
こうやって少しずつ気持ちを伝えてくれる黒沼だから

願掛け・・・
願い叶っちゃったな



明日は彼女を包んで甘い一日を・・・









あぁぁぁぁぁ~~~!ごめんなさい!
チョコの包み紙を手帳に入れる時点で
「俺の嫁ファイルナンバーXXX」
って想像しちゃったぁぁぁぁ!!
こ、こんなしゅてき作品に私ってばなんてことをっ!!!

でもでも。
電話の会話・・・いいですねぇ・・・W
ひとりじめW
なんだかもうピュアすぎてピュアすぎて!
お互い気持を言うのにためらいつつ、でもそのお互いの気持ちが繋がっているという事を
認識するとすっごーく照れちゃって。
同じ気持ちなのになかなか通じ合わないじれったさとか本当好きです!
翠ちゃんありがとですーーW

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