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君の中に俺はいない 後編(cocoaさま)

ケント×爽子






*

1時間目の休み時間。
俺は早速、貞子ちゃんお手製チョコを食べた。


「・・・うんま。」
思わず口から言葉が飛び出した。
なんだこれ、めちゃくちゃ美味い。
チョコって、フツウ、あの板チョコ溶かして型に入れるだけじゃねーの??
なんか、こんなの食べたことねー。
貞子ちゃんからの愛がひしひしと伝わってくる。
もちろん、友情のほうの愛が。


ちょっとした感動と寂しさに浸ってると、視線を感じた。
見るとそこには、
「・・・なんだよ風早ぁー」
風早がいた。
今日はいつにも増してモテモテで、他のヤツから見たら羨ましいこいつが。
心なしか膨れっ面で俺を見ている。
なんだ?
っていうか、チョコを見てるのか・・・?


・・・はぁん。
あっちで、あやねと吉田ちゃんが俺と同じラッピングのチョコ食べてるから気づいたのか。
当の本人は不在だし。(ピンに呼ばれた)
風早には放課後渡すって言ってたしな。


「おまえ、貞子ちゃんからチョコ貰ってないからっていじけんなよー」
「!!な、!ば、べ、別にいじけてなんて・・・」
あー、あー。思いっきり動揺しちゃってまあ。
「んじゃなに?ものほしそーな顔して。たべたいの?しょーがねーな、ホイ!」
「いい!!!・・・え、デジャブ・・・。」
「(・・・デジャブ?)ジョーダンだよ、ジョーダン!勿体なくてやらねー!HAHAHA」
「~~~~!」

こいつ弄るのおもしれー。
あやねの気持ちがわかったわ。


「んな物欲しそうな顔すんなよ。今年こそもらえんだろ?」
「た、たぶん・・・。」
「自信なさげだなー。」

なんでこいつこんなに自信ないんだ?
彼氏なんだからもらえるに決まってるのに。
しかも、皆のとは一味も二味も違うチョコを。

ズキッ

「・・・だって」
「ん?だって?」
「今日の爽子おかしいんだ。」
「・・・おかしい?」

別に普通じゃね?
俺にはいつも通りだったぞ。

「朝なんて俺と会っても、いつもは可愛い顔で『翔太くん、おはようっ』って言ってくれるのに今日はすごいキョドって笑顔なしの『おはよう』だったんだ。」
「・・・」

ポカン、だ。
貞子ちゃんの真似をしたつもりだったのか、目をぱっちりさせて無駄に笑顔で、更に声をちょっと高くして『翔太くん、おはようっ』って言った風早に、俺は若干ひいた。

「・・・今のはやめたほうがいいと思う。」
「は?なんか言った?」
「いや、」
「!!!ってゆーか、俺なんでこんな事三浦に言ってんだよ!!」
「ははっ、しらねーよ!」
「~~~俺!もう行く!!!」
「おー風早!」
「なんだよ!!」
「おまえ、家に着くまで待てよ。それでももらえなかったら俺が慰めてやる!」
「いらねーよ!!!」
「今年はもらえるといいな~!」
「・・・・・・って!なんで三浦、俺が去年貰えなかったって知ってんだよ!!」

気づけばクラスのほとんどのやつが俺と風早を見てた。
まぁ、風早がでかい声で話すから注目されるのはあたりまえか。

「・・・俺、エスパーだから!」



*



あの後風早は自席に戻り、ジョーとかアンディーにからかわれてた。

「風早去年貞子にチョコ貰えなかったのか!」
「ずっっっと好きだったのにな!」
「さりげなくアピールして、結構期待してたのにな!」
「~~~お前らうるさい」




そして放課後。


「じゃぁ、師匠また明日・・・!」
彼女は俺に別れを告げて、教室の後ろでこっちを見てる彼氏の許へ行こうとする。

「あ、待って貞子ちゃん!」
「え?・・・!?」
「あはは、ごめん、びっくりさせちゃったね。」
「し、師匠?」
「それ、おいしいでしょ?」
「うん、おいしい!私この飴好きだよ!!」
そう行って貞子ちゃんは極上の笑みを見せる。

ドキッ

「・・・よかった!師匠からの今から頑張ってねのプレゼントです!」
「!!!あ、ありがとう!!」
頬を染めてそういった彼女はすごく可愛くて。
さっきの笑顔とは違う、恋する乙女な顔になってた。
胸がずきずきする。
けど、俺は貞子ちゃんの『師匠』として見送る義務があるんだ。



・・・
ホームルームが終わり、下校の時間。
「あ、」
荷物を詰めようと開けたスクールバッグから出てきたのは、飴。
忘れてた。
昨日の帰りにコンビにで買ったんだった。
袋をバッっと開ける。中にはたくさんの飴玉。
包みを剥いてひとつ食べてみる。
うん、美味い。
俺、これ好きなんだよな~。
三角のいちごみるく。
貞子ちゃんも好きかなー。
・・・



ただ、この子の笑顔が見たかっただけ。
俺だけに向けてくれる、笑顔が。
うん、一瞬見れたじゃん。
飴を口に放り込んだ後の『好きだ』と言った笑顔。
その『好き』が飴に対してではなくて、俺に対しての言葉だったら。
それだけ嬉しいだろうか。
・・・でも、それは願っちゃいけないんだ。


「じゃぁね、貞子ちゃん!」

だって、君の中に、俺はいない。



Fin





ケントがポカンとしたのがすっごいウケましたW
きゃ~Ww確かにひくわな(笑)
苺の飴、私も好きです。
うんまいですよね。

この後やっぱり爽子ちゃんはいちごみるくパワーもあって、頑張れたんだろうなぁ。
ケントが可愛そうなのがズキズキきますが(><
こういうケント嫌いじゃないんですWw

はる

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