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Love is being stupid together 5

はるver.です。

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あ…
危なかったー!!

ドンドコドンドコ、鳴り響く心臓に手を添える。
あやねちゃんやちづちゃんと買い物に行ってから、風早くんにこの計画がバレない様仕草や口調に気をつけてきた。
嘘が苦手で、付けない性分なものだから何か聞かれたらどうしようって身構えてはいたけれど…
まさか匂いで感づかれるなんて。
「はー…」
空を仰ぎ、ため息を吐き出してみる。
あれから帰宅するまでなかなか胸の鐘は速くなるばかりだったけど、今はまだ何とか落ち着いている。
冷蔵庫をみた。
中には昨日ワンホール作って食べきれなかったビターチョコレートケーキ。
昨日は練習として寝る前に作ったのに…
その匂いがまさか体についていただなんて。

「もっと…用心しなくちゃ」

ガッツポーズをしながら私は気をつけようって思った。





「えぇ!?匂いで?!」
後日、危うく風早くんに“今年こそはチョコレートをあげよう”と密かに遂行されている計画が危うくバレそうになったことを
ちづちゃんとあやねちゃんに話した。
お昼時の中庭は誰もいないから話しやすい。
「う、うん…危うく匂いをもっと嗅がされそうだったので逃げたんだけど」
「に、匂いって!あいつ犬かよー!」
「流石…動物的嗅覚ねっ!」
2人の頭上ではマルと同じ尻尾や耳を付けた風早が浮かぶ。
「確かに…爽子の前では犬よね」
「え?い、犬っ」
「あぁ、何でもない。こっちの話しよ。で?バレずに済んだんだ」
「うんっ。凄くビックリはしたんだけど…。あ、そうだ。」

爽子は思い出したように、弁当箱と一緒にもってきた紙袋を取り出した。
「ビターチョコレートね、練習で作りすぎたので…よかったらちづちゃん、あやねちゃん、食べてくれないかな。余りもので悪いのだけれど、毒味はしましたので」

中からは透明なセロハンの袋に入れられたビターチョコレートケーキの8分の1。
忽ち目を付けたのはちづだった。
「え!?マジで?やっりー!サンキュー爽!有り難く頂くわ」
「超うまそうじゃん。有り難く頂くわ、爽子っ」
「う、うん!ありがとう」
ワンホール作ったのはいいけど、家族3人で減らすには多すぎたから、と付け足した。
「バレンタインにはそれじゃなくて、別のを2人に作るね!」
「それは嬉しいけど…また何を作るか悩んで寝不足にならない様にすんのよ?」
「は、はい…気をつけます」
心配してくれるあやねちゃんの存在が嬉しくて、自然と笑顔になる。
嬉しいなぁ、嬉しいな。
やっぱりこの2人は大切で大好きな友達だから、大事に作りたいなって思うの。





昼食も終え、教室に帰ると真っ先に爽子の目に飛び込んできたのは風早の存在。
やっぱり意識してるからかな、と爽子が照れている間に爽子に気づいた風早もこちらへと寄ってきた。
「外で食べてきたの?」
簡潔なその言葉に、外で昼食を終えてきたのかと訪ねられていることを知る。
「う、うんっ。もしかして風早くん達も一緒にいきたかった?」
「あ、いやいや。俺学食だし!」
「そうなんだ」
「うん。俺ん家共働きだからね」
そう言えばいつも昼時は風早くんが教室にいる姿を見たことないなって思い出す。
そっか…
お昼、持ってきてないのか。


爽子はその後、風早と他愛のない話しを進めていく。
そして…重大な事に気付いたのは、この日の夜の事だった。





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