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Love is being stupid together4

つむぎさまVER.



日に日に、疲労の色が濃くなる黒沼。
学校からの帰り道はいつも二人きりになれて
嬉しいのになんだかこのごろ・・・

黒沼の顔色が悪いからそちらのほうが気になって
仕方が無かった。

黒沼の言う、「まだいえない理由。」

いつか、来るべき時が着たら言うと黒沼は言ってくれたけど
やっぱり目の前でこんなにも疲れていそうな
黒沼の表情をみると心配でたまらない。


夕日の赤い光が黒沼と俺を照らして
まだ、冷たいけれど、やわらかくなりつつある
北風が俺達の横を通過した。

黒沼のきれいな黒髪が大きくなびく。



 ―― ふと、黒沼から甘い香りがした。



 「黒沼...今日、調理実習があったの?」

俺の質問に首をかしげて不思議そうにする黒沼。
今日あった時間割を思い起こしているのか
何も無い空に視線を彷徨わせた。

 「調理実習...ないよ?」

きょとんと、不思議そうな表情の黒沼が
まっすぐ俺のことを見据えている。

 「そう? なんか、黒沼のほうから甘い...香がしたんだ。」

 「えっ!」

その言葉に明らかに、挙動不審になる黒沼。
思わず、俺はどうして黒沼をそうさせているのか知りたくなってしまった。

 「砂糖? バターを焦がした匂いかな?? あとカカオ・・・みたいな。」

 「わっ!わっ!!」

お菓子作りが得意な黒沼だ。
これまでだってお礼のクッキーとか作って来たことのある
黒沼だから、そんな香がしたって決しておかしくないはずなのに
あきらかに黒沼は動転していた。

その様子が少し面白くって...可愛くってからかいたくなる。

俺は、もっとちゃんと黒沼から発せられる香りを確かめようと
黒沼の首筋に顔ごと鼻を近づけようとした。


 「だめぇ!!」


はしっ...っと俺の口と鼻を小さな両手で押さえる黒沼に驚いた。
目が大きく見開き。
目の前には顔を真っ赤にしながら俺を近づけないようにとする黒沼がいた。


 「今は!...だめなの!」


必死でそういう黒沼が可愛くて
俺はゆっくりと惜しむように黒沼から距離をとるように離れた。


 「わかったよ。」


ワザと「ちぇっ」と拗ねた振りをして帰る方向へと体を向ける。


 「ごめんね。」


ホッとしたように、拗ねた振りをした俺を心配するように
複雑な表情をした黒沼。
ますます、黒沼の様子が気になってきてしまった。









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