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11.甘粒の苺(栃木産とちおとめのふくよかな甘さと甘酸っぱさが絶妙のかわいいお酒♪)

ココの続きかな。






付き合い始めて4年以上がたった。
彼女と過ごした年月は長いんだけど…
4年以上経った今だからこそ分かってきた事がある。




【甘粒の苺】




高校を卒業して、1人暮らしを始めた俺の家は1DKの佇まいで、男1人が住むには充分の住居スペース。
そこにたまに黒沼がきてくれて、黒沼の作る舌が肥えそうな料理に感動し、黒沼の時間が許す限り日々の出来事を話したりテレビを見たりして時間を過ごす。

そしてたまに…思いがけないサプライズもあるわけで。


「あ、えっと…」

いつも持ってきてくれるご飯の材料と…それよりも大きな鞄を両手に黒沼が来るときが、そのサイン。

「え!?も、もしかして…」
「う、うん。そうなの。風早くん明日大学が休みって聞いたから…い、いいかなっ」

頬だけじゃなく耳まで朱色に染める彼女に、何故NOと言えようか。

「も、勿論に決まってんじゃん!!!」

大きい荷物は俺が預かって、黒沼を家に入れた。

黒沼の親、とくにお父さんは凄く黒沼の事を大事にしている。
だから女友達とのお泊まり以外の外泊は禁止されていて、
彼氏である俺なんて以ての外だった。
ただ、半年に何回か黒沼のお父さんが仕事の関係で道外へ出張する事があり、
俺と黒沼との交際を大プッシュしてくれている黒沼のお母さんはそういう時だけ
「お父さんに内緒の外泊」
を取り付けてくれる。

多分…いや、きっと。
俺バレたら黒沼と会わせて貰えなくなるかもしれないんだけど。
そんな事よりも黒沼と一緒に居られると言う欲のが勝(まさ)ったんだ。
当然だけど…目先の宝(黒沼)には見て見ぬ振りなんてできない。
だから黒沼のお母さんの好意に甘えさせてもらい、こうして黒沼は
「お父さんに内緒の外泊」
に来てくれる。
いつの間にか洗面台に増えた色違いの歯ブラシ。

トイレに設置された女性の為の汚物入れ。

箸や、食器、コップ等…
お揃いのモノが増えていく。

些細な事かもしれないけど、黒沼という“印”が増えていくみたいで嬉しくなる自分がいた。
荷物を探り、オレンジ色のチェック柄なエプロンを取り出すと髪を二つに括る。
これが黒沼の料理スタイル。

「風早くんお腹空いたよねっ。直ぐ何か作るね」
「マジで?やったぁ。俺黒沼の作る料理好きっ」
「本当?そ、それは嬉しいなぁ…じゃぁ張り切って作るねっ」

材料を冷蔵庫に入れて、中に予め入ってるモノも見ながら暫く睨めっこした後、手にいくつかの食材を持ち、黒沼は調理に取りかかる。
俺はその間ランチョンマットや箸、箸置きを並べて少しでも手助けをするんだけど…
キッチンに寄った際、二つに括った髪が表す首もとに目がいった。
幸い食材を切り終えて、フライパンで炒めてるもんだから…

悪戯心に火が付いた。
後ろから黒沼の腰へ、思い切り抱きしめる。

「ひょーっ!!」

ははっ。
予想通り驚いた!
かわいーなぁもう。
そのまま彼女の首もとに唇を寄せた。

「ひゃぁああ!」
体を捩っての反応が本当に可愛い。可愛くてたまらない。

だから病み付きになってしまうんだ。

「か…風早くんっ!!」

コンロの火を止めて、こっちを睨んでくる黒沼は目に雫を溜めて涙目だ。
こうなってしまってはもう手が出せない。

「ごめんごめん。黒沼があまりにも可愛いから」
「か、可愛いだなんて…」
「んーん。黒沼は可愛い。すっごく」

腰に腕を回して、肩に顔を載せると忽ち香るのは彼女が放つ匂い。
肺いっぱいに吸い込んで、本当はまだまだ足りないんだけど

「続きは…また後で、な」

俺はそう耳元で囁く様に言い、そこから離れた。

顔をチークを塗ったみたく染め上げた黒沼は、もう昔みたいな意味が分からないといった様な対応じゃない。
意味を理解しているからこそ
「あ、あああ後で…っ!?」
と、真っ赤になって呟いてくれる。
今は我慢しようとひとまず俺はキッチンから離れた。



暫くすると様々な料理の匂いが立ち込める。
一人暮らしの男の家からは到底作れそうにない香りに、食欲がどんどん湧いてきた。
やがて爽子が料理を運んできてくれて、俺は再びキッチンにいって炊飯器からご飯をよそう。

「ありがとう」
「これ位しかできないから」

そうして2人での食事。
美味しいご飯は何処ぞのレストランよりも格別で、また視覚から得られるのは可愛い可愛い俺の彼女。
幸せで幸せで、そんな時間に限ってあっという間に過ぎていくんだから。
本当楽しい時間ってかけがえの無いものなんだなって実感する。
食事が終わった後皿洗いは俺の仕事。
爽子の綺麗な手を洗剤等で荒れさせる訳にはいかない。
率先して洗って、
その後にやってくる一時が凄い好きだったりする。
ワンルームの部屋に置かれたのは、テレビとテーブルと、ソファーベット。
ソファーとベット両方置くと流石に狭くなるからソファーベットにした。
そこで寛ぎながらテレビを見て、爽子を抱いて微睡むのが好きな時間の過ごし方なんだけど…食後の腹が落ち着いた頃、俺は忘れる所だった、とある事を思い出した。
黒沼を一人ソファーベットに残し冷蔵庫から取り出したのは
苺の色そのままを表した真っ赤な色をした瓶に入っているお酒だった。
いつしかお店で見た時、可愛らしいデザインに惹かれて「これなら黒沼も飲めるかな」と思い買っておいた。
幸い黒沼は今日泊まってくし、明日は日曜日な為学校もない。
なら今日しかないだろう、と取り出す。

「風早くん…それ、お酒?」
「うんそう。でもアルコール12度だし、軽めのお酒だから黒沼も飲めると思って」

神社で配布される甘酒が飲めるから、強めじゃなければお酒が飲めると知った。
折角二十歳を過ぎたんだし、大人な楽しみ方を知らなければ損だとも思う。

「軽めなら…うん。大丈夫かも。飲んでみたいな…」
「良かった!」

すぐさま2人分のグラスを用意する。
果汁も10%あって甘めな方だろう。
注ぐとスパークリングである炭酸はグラスの中で綺麗な色のまま可愛らしい泡の粒を液体いっぱいにひろがせる。

「はい、どうぞ」
「ありがとう」

2人でソファに腰掛け、グラスをコツン、と重ねて口にした。
「…美味しいっ」
「うん、飲みやすい」

パッケージには“本格麦焼酎使用”とは書かれているが、ほんのり香る苺がそんな癖を気にさせない。
俺たちはその旨さに病み付きになったように、直ぐにグラスを空にさせると再び酒を継ぎ足していった。
途中、俺はお酒を普通の芋焼酎に変え、甘粒のいちごをこくこくと飲む黒沼の隣で同じ様に喉を鳴らしていた。
そして酒のつまみにと、薄く切ったチーズを口にする。
何か別の味を含む事で、お酒って不思議と進むんだ。
どうやら黒沼もそうみたいで…
逆に俺の中では、ソレが狙いだったりした。
お酒を飲んで暫くして、顔の色を赤くする黒沼。
その様子を見ながら「大丈夫?」と訪ねると、彼女は心配かけさせない為か「うん、大丈夫」なんて言う。

けれど―――――

まるで湯上がり時を思わせる様な顔色に、睫毛が微妙に伏せられた瞳は。
なんとも見捨てがたい光景でもあった。

本当は今すぐにでも貪りたいんだけど、今は駄目だまだ待てと自分に言いつけて、
再びお酒を口にする黒沼を見た。
やがて空になる赤い瓶。
しかしいつからかアルコールを欲しだした黒沼は、俺が飲み続けていた瓶にも目を付け出した。

「風早くんのも…頂いて…いい、かなぁ」

ぽつりぽつりとなんとか言葉を紡いでく。

「うん、いいよ」

そして俺は飲みやすいようにと芋焼酎を烏龍茶で割ってグラスを渡した。
その時に焼酎の量を少し増やしたんだけど…
変わらず飲む姿を見るとどうやら気付いてないらしかった。

再び構わず飲み続けていくと

「…!」

肩に、微かな重み。
そちらを見るとどうやら黒沼の頭が俺の肩を支えに乗っかってきた事が分かった。
まだ飲料が残ってるグラスはそのままだから、零しては危ないと思いグラスは取り上げる。

「…黒沼?」
「……はい。」

遅い返事。
彼女の思考回路が停滞寸前な事を知らせる。

「眠い?」
「…ううん…眠く、ない…よ」
ぎゅ、と腕のシャツを掴まれた。
そのままこちらを見る黒沼に、視線を合わせると…


―――――う、わっ!!!



そこには、熱をもったままの表情で、色香を漂わせた黒沼の姿。
同時に俺は心の中でガッツポーズを決めた。
以前黒沼が少しのアルコールを含んだとき、いつもよりも積極的だった事がある。
それでも体を寄せてきたりな程度だが…
いつもの黒沼からは考えられない事だった。
じゃぁもっとアルコールを含ませたらどうなるんだろう?

膨らんだ好奇心はそうそう収まらず、気づいたらこうしてお酒を購入していた。
もしかしたら途中で寝入ってしまうと言う考えもあったけど幸いそれはならなかったし。
まぁ俺の酒まで飲むとは思わなかったけど…

でも、今確かにいつもとは違う黒沼が、そこにいる。


「風早くん…」
「ん。なぁに?」
「…ぎゅっ、て…して?」




う、うわぁあああああ!!!
なんって可愛いんだ俺の黒沼はっ!!!

首を傾げて、そんなとろーんとした可愛らしい顔でっ!!!
そんなにもいいお願いされたらもうご褒美としか思えない!!!

直ぐ様飛びつく様に黒沼に抱きつくと、サラサラな髪の毛が鼻先をくすぐる。
同時に香ってくる匂いは、何度嗅いでも飽きない匂いだ。

「…風早くん…もっと…もっと、ぎゅって…して…」

抱きしめてるから耳元に直接かかる甘い声。
頭がクラクラしそうだ…っ

「…こう?」

色んな部分のスイッチが入りそうな中、やっぱり我慢をして、俺は腕に力を入れた。

「…うん」

満足した様に俺の懐に収まりながら背中に回された腕がくすぐったくて、同時に心地よかったりする。

「風早くん…」

再び名前を呼ばれて、黒沼を見た。
すると唇に、予告無しのキスがやってきた。
何かを言おうとしたら

「好き…」
ちゅっ

「大好き…」
ちゅっ

「好き、なの…」
ちゅっ…


沢山の一言と、沢山のキスの繰り返し。
それらは瞬きをする時間すら与えさせてくれない。

「風早くんは…私の事…好き?」
「勿論…誰よりも、好きだよ」
「…うん。嬉しい…」



ぱぁ、っと。
本当に嬉しそうに笑うんだ。
可愛く可愛く笑うんだ。
目が離せなくて貪る様に唇を食べた。
何度も何度も角度を変えて、沢山のキスをする。
でもキスじゃやっぱり足りなくなって、

「はっ…ぁ、んっ」

唇に舌を入れて、アルコールの味がまだ残る口内を思い切り堪能する。
舌先で黒沼の全てを味わいたくて、頭を手で支えながらそれだけに専念した。
もともとふらついてた彼女は流れる様にソファーベットに倒れ込む。
体制を整えて組み敷くと、髪を指で梳きながら唇を貪りつくした。

「はぁ…あっ…ふっ、んっ」
「黒沼…俺、もう止まんないよ?」
「…止まんない…?」
「うん…黒沼を食べたくてずっと我慢してた。…もうウズウズしてるんだ…」
「ウズウズ…してるの…?食べたい…の…?」
「…我慢、できない位に…凄く。」
「じゃぁ…私を、食べてくれますか…?粗末な物ですが」…
「んなわけ…ないじゃんっ!」
「あぁっ」


まだ謙虚な彼女がそこにはいた。
積極的だった癖にそういう所は滞在で、そのギャップに益々拍車がはやまった。

まだお風呂も入っていない体同士は、まるでお花みたく相手を誘うみたく匂いを強く放ち誘い狂わせる様。
アルコールで浸った彼女を目の前に、今度は俺の番。
甘く甘く熟した色っぽい黒沼をこれ以上となく堪能させていただくことにする。


幸い明日は…何もないのだから。




20100325



なんだか豚を食うために肥えさせた、って話だな(爆)

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